- Kozue Tomita
京都でアイリッシュパブの設計をしました
先日緊急事態宣言の明けた京都東九条に設計として携わっていたIrishPub THE STONES kyotoがOpen致しました。
今回は、Hand&Design古川君との協働設計になります。
設計当初、解体した天井の中から古い煤けた洋小屋の梁組と野地板が現れた時、このお店の雰囲気がはっきりと見えた様に思いました。
繋いでいくことが出来る木造建築の素晴らしさを感じます。
受け取ったイメージを更にこちらの思いと重ね育てていき、設計は素直に進んでいきました。
イメージの段階でイギリスのオールドアイリッシュパブの本を本屋でたまたま見つけていました。それらの店はイギリスの古い街並みにしっくりと馴染み、内部空間は、低すぎる天井や、高さが揃わないどこか歪んだ腰窓、人の歩みでテラテラとにぶく光った石貼の床などの中に、手仕事のしっかりとした職人技を感じさせる腰の羽目板や、どっしりとした木製のカウンターがあり、しっかりと設えられたそれらのパーツと店主の思いやその場所で培われてきた歴史を感じさせる額アート、レタリングの数々と合間って、訪れる客がもう一つの自宅のリビングルームだと思って寛いで欲しいというアイリッシュパブのフィロソフィーをとても感じることが出来ます。
京都のお店は、建物の形は元の住宅のままなので、一般的なアイリッシュパブのイメージから少し外れているかもしれませんが、軒下に入れた店名ロゴがしっかりとアイリッシュパブの雰囲気を醸してくれました。Rungtaによりインドで作られたカウンターはどっしりとお客様を迎えてくれます。店主とのDIYで塗った壁はインドのアンティークの柱や既存の梁に合わせて新たに作った梁受けなどと合間って気持ちを和やかにしてくれます。
これから、この店に通ってくれる人々の手によって、オールドアイリッシュパブの本で見たお店に近づいていくことが出来るのではないかなと思います。
そして、仕事として今回特別だった事は、私も職人だったことです。 生命力のある花や植物をカウンターの上に入れたいという店主の思いをうけ、ミラーに描きました。(詳しくはまたの機会に書きます)
インドのペインター職人との協作です!店内の他のミラーも描かせて貰いました。
拙い部分も有りますが、訪れる人の心に少しでも残って貰えると嬉しいなと思います。
長々とお付き合い頂きありがとうございました。
この様な時期でのOpenとなってしまいましたが、沢山の思いの詰まったこの空間とお酒と料理と音楽と人との出会いを皆さま是非楽しみに訪れてみて下さい!
The STONES kyoto




